虫歯(う蝕症)とは | 府中市の歯科 たかすぎ歯科クリニック|府中駅
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虫歯(う蝕症)とは
細菌が出す酸で歯が溶ける
歯に付着している歯垢には、ストレプトコッカス・ミュータンスという細菌が潜んでいます。
虫歯は、この細菌の作用によって次第に歯が溶けてくる(脱灰)病気で、う蝕症というのが正式な病名です。
この細菌は、糖分を栄養にして増殖し酸を産生します。この酸の作用によって、歯の表面を覆っているエナメル質が溶けて虫歯になるのです。
脱灰は、エナメル質の表面から内側の象牙質にまでおよぶようになり、歯に孔が開いて、次第に歯の深部にまで達するようになります。
虫歯は、一旦始まると自然に治まることはなく、放置すると、歯の神経や血管がある歯髄にまでおよんで激しく痛むことがあります。さらに歯全体が溶けて歯の形がほとんど無くなることがあり、こうなると歯を抜く以外に治療の方法がなくなります。そうなる前に少なくても痛み始める前に治療を受けることが大切です。かなり進行しても歯を抜かずに治療できる場合もかなりあります。
虫歯になりやすい人
虫歯は、男性よりも女性に多く、5~8歳の乳歯の時期に特に多くみられます。永久歯になってからは、15~20歳の青年期と45歳以上の中高年期が発生しやすい時期です。
虫歯になりやすい歯と部分
①上下の第一大臼歯、②上下の第二大臼歯、③上の第一・第二小臼歯、④上の中切歯、⑤上の側切歯、の順で虫歯になりやすく、上の歯の方が下の歯よりも虫歯になりやすい傾向があります。
また、臼歯の表面にある溝の部分、隣の歯と接する側面、ほほの側(歯の外側)の生え際から3分の1以下の部分は、歯垢が溜まりやすく、特に虫歯が発生しやすい部位です。
虫歯の早期発見法
透明だったエナメル質が白く濁り、チョークの様な白色になってきたり、エナメル質が暗褐色をしてきたり、歯の表面にひびが入ったり、臼歯の表面の溝に褐色や黒色の線が出来てきた時は、たとえ物がしみたり、痛んだりしなくても虫歯が始まっています。
毎朝、鏡に歯を映してこのような変化が見られた時は、早めに歯科医院で健診を受けるようにしてください。
虫歯の症状
虫歯は、表面のエナメル質が溶けることから始まりますが、進行の度合いによって次の4段階に分けられます。
C1:エナメル質虫歯
表面のエナメル質が溶け始めた段階で、痛みなどはありませんが、よく見るとエナメル質の色の変化や、臼歯の表面の溝に着色の変化が見られる状態
C2:象牙質虫歯
エナメル質が溶けて出来た孔が、その内側の象牙質にまでおよんだものです。象牙質は、脱灰に対する抵抗力が弱いので、このあとは急速に虫歯が進行していきます。
C2の初期は、冷水、お湯、甘味などを口に入れた時にわずかにしみる程度ですが、孔が歯髄の近くまで達すると、しみるが痛みと変わり虫歯の進行とともに徐々に痛みが強くなる
C3:歯髄炎、歯根膜炎
虫歯が歯の神経が存在する歯髄まで達したもので、歯髄に細菌が感染して歯髄炎をおこし、さらには歯根を包んでいる歯根膜にまで炎症がおよんで歯根膜炎をおこし、なにもしていなくても激しく痛むようになる
C4:歯冠部の欠損
歯肉(歯茎)の外に出ている歯の部分(歯冠部)が溶けて無くなった段階で、多くの場合が抜歯となる
早期治療で完全に治る
市販の痛み止めなどを虫歯に塗布することで一時的に痛みを抑えることが出来ますが、このような家庭での治療では虫歯の進行を止めることは出来ません。
早期の段階で歯科医院の治療を受ければ、虫歯の進行を完全に止めることが出来ますし、抜歯の必要もありません。また、治療に痛みを伴うこともありませんし、治療に掛る時間も少なく、経済的な負担も軽くてすみます。放置せずに早期の段階で歯科医院の治療を受けることをお勧めします。
C1や軽いC2の治療
痛みがまったくなく、冷たい飲み物がしみる程度であれば、2~3回の通院で完全に治る場合がほとんどです。
食べ物を噛む臼歯(奥歯)の虫歯の場合は、咬む力に充分の耐えられる金属系の素材を使用し孔に詰めます。最近は審美性と機能性を兼ね備えたレジンやセラミックなどの素材を使用した治療も増えており、特に前歯の治療に適した素材になります。
進行したC2の治療
虫歯になっている部分を少し削りとって、セメントで歯髄の上を覆い(覆髄)、その後その孔を詰めることになります。C1や軽いC2の治療より少し手間が掛るため、治療回数が増えてしまいます。
C3、C4の治療
C3の段階になると、歯髄炎の場合は歯髄を抜いたり、歯髄膜炎の場合は歯髄を抜いた後の治療が必要になるのでかなりの治療回数が必要になります。
C4の段階になると、多くの場合抜歯が必要となります。
前歯であれば、継続歯といって残った歯の根管内に土台を作り人工の歯をかぶせることも可能です。
虫歯予防
毎食後、正しい歯磨きをしっかりと行い、歯に付着している歯垢を充分に除去することが、一番の虫歯予防となります。
虫歯が発生しやすい歯や部位は歯ブラシが届きにくいところなので、簡単にブラッシングするのではなく、時間を掛けしっかりと念入りに歯磨きを行う必要があります。
乳歯の虫歯
子供の虫歯は非常に多く、1歳児では全体の約10%、2歳児で約40%、3歳以上になると70%の子供にみられます。
これは、乳歯は永久歯に比べて有機質が多く、酸などの化学的作用を受けやすいからです、また、子供は糖分が多く歯に付着しやすい食べ物を好んで食べ、特に溝の形が複雑な乳臼歯などに糖分や歯垢が溜まりやすいからです。その他にも、幼児では自分で充分に歯磨きを行うことが出来ないのも原因の1つとなります。
乳歯の虫歯は
①急速に進行し、すぐ歯髄が炎症をおこしやすい
②同時に沢山の歯が虫歯になりやすい
③歯の側面に虫歯が出来ると、隣り合っている歯も虫歯になりすい
④自覚症状がはっきりせず、どの歯が痛むのかを特定しにくい
⑤治療が難しい
といった特徴があります。
また、子供の虫歯は大人に比べて急に歯茎が腫れたり熱を出すことも多く、歯髄炎から顎骨の炎症を引きおこす場合もあります。
乳歯の虫歯予防
毎食後、必ず歯を磨く習慣を付けることが大切ですが、幼児は正しく歯を磨けませんので、あとで家族の人が複雑な乳歯の溝を丁寧に磨いて補ってあげることが必要です。
歯の表面にフッ素を塗布し、歯が酸に侵されにくくするフッ素療法や、奥歯の溝をプラスチック樹脂で埋めるフィッシャー・シーラントという虫歯の予防法もありますので、歯科医院に相談してみてください。
最近は、子供の歯科治療を専門に行う歯科医院も多くなり、幼児期から虫歯の予防に力を入れている歯科医院が多くなりましたので、家族皆さんでで虫歯予防を行いましょう。